虹色の輝きイリデッセンスと虹の女神イリス 「ボーナイト(BORNITE) 和名:斑銅鉱」紹介
ボーナイトのデータ
・高温から低温にかけての広い熱水作用により形成された鉱脈中や火成岩、ペグマタイトにも生成する
・塊状で現れることが多いが擬立方体や八面体、十二面体を示すものもある
・石英、黄銅鉱、輝銅鉱、安四面銅鉱、自然銀などと共生する
英名 | BORNITE |
和名 | 斑銅鉱 |
化学組成分類 | 硫化鉱物 |
晶系 | 斜方晶系 |
色 | 赤褐色・青紫など |
光沢 | 金属光沢 |
蛍光 | なし |
条痕 | 灰黒色 |
劈開 | 不明瞭 |
断口 | 貝殻状・不平坦 |
モース硬度 | 3.0 |
比重 | 5.1 |
【参考】
ピーコックオア(孔雀鉱石)
斑銅鉱は空気中に放置すると以下のように色が変化します。
赤みを帯びた褐色
↓
紫
↓
青色や紫色の斑点が浮き出る
和名:斑銅鉱は上記の現象に由来しています。
表面に現れたこの斑点は光の干渉により虹色の輝き「イリデッセンス」を示すことから「ピーコックオア(孔雀鉱石)」とも呼ばれます。
ちなみに英名:ボーナイトは、オーストリアの鉱物学者:イグナッツ・フォン・ボーン(1742年~1791年)が由来です。
ギリシャ神話の虹の女神「イリス(アイリス)」
ピーコックオアのイリデッセンスはギリシャ語で虹を意味する「イリス」に由来し、ギリシャ神話に登場する虹の女神も「イリス(アイリス)」という名を持ちます。
銅の主要鉱石
斑銅鉱は1845年に独立種と認められ銅の主要鉱石として世界中で採掘されています。
斑銅鉱のような銅鉱石から抽出される銅Cuは電導性に優れるという性質から、電線やケーブルに利用されるほか、亜鉛ZnやスズSnとの合金などに用いられています。
主な産地
①イギリス
②アメリカ コネチカット州・モンタナ州
③メキシコ
④日本 兵庫県多田鉱山・兵庫県明延(あけのべ)鉱山・高知県白滝鉱山
⑤ナミビア
⑥オーストラリア
⑦チリ