タングステンWの主要鉱石! 「ウォルフラマイト(WOLFRAMITE) 和名:鉄マンガン重石」紹介
ウォルフラマイトのデータ
・深成岩の中でも特に石英脈とペグマタイト中に花崗岩とともに生成する
・熱水交代作用を受けた岩石中でスズ石、方鉛鉱・灰重石・閃亜鉛鉱などと共生する
英名 | WOLFRAMITE |
和名 | 鉄マンガン重石 |
化学組成分類 | タングステン酸塩鉱物 |
晶系 | 単斜晶系 |
色 | 無色 赤褐色 |
光沢 | 亜金属光沢 |
蛍光 | なし |
条痕 | 黒色 褐色 |
劈開 | 完全 |
断口 | 不平坦 |
モース硬度 | 4.0~4.5 |
比重 | 7.1~7.5 |
【参考】
鉄重石とマンガン重石の中間組成
鉄FeとマンガンMnを含有するタングステン酸塩鉱物の鉄マンガン重石は、独立した鉱物種ではなく鉄重石[FeWO4]とマンガン重石[MnWO4]の中間組成として存在します。
鉄FeとマンガンMnの割合は連続的に変化し、鉄の量が多いと黒色に、マンガンの量が多いと赤みを帯びた褐色で現れます。
なお、「鉄マンガン重石」という呼称は日本で用いられるフィールド名であり、英名を便宜上「ウォルフラマイト」と表記しましたが、「ウォルフラマイトグループ」と表記する場合は、鉄重石・マンガン重石・サンマルチン石・ワンサラ石という4種類の独立した鉱物のことを指します。
ウォルフラマイトの用途
ウォルフラマイトは世界中に広く分布する鉱物で、金属元素であるタングステンWの主要鉱石として産業用に採掘されています。
タングステンWは航空宇宙産業の分野でロケットのノズルに用いられるなど、幅広い用途に使用されています。
ウォルフラマイトからタングステンWを抽出するには、以下の方法が一般的です。
①ウォルフラマイトに濃縮苛性ソーダ(水酸化ナトリウムNaOH)を加えて加熱して溶かす
②ウォルフラマイトの溶液を水素ガスと反応させて抽出する
主な産地
①ドイツ
②中国
③アメリカ アリゾナ州・カリフォルニア州・コロラド州・ニューメキシコ州・サウスダコタ州
④日本 茨城県高取(たかとり)鉱山・京都府鐘打鉱山
⑤ボリビア
⑥ミャンマー
⑦ポルトガル
⑧オーストラリア
⑨マレーシア