隕石の成分にそっくり! 「ピロータイト(PYRHOTITE) 和名:磁硫鉄鉱」紹介
ピロータイトのデータ
・接触交代鉱床や熱水鉱脈、スカルン鉱床などに分布。
・黄鉄鉱、閃亜鉛鉱、黄銅鉱、磁鉄鉱、ペントランド鉱などと共生する。
・結晶は六角形の板状か柱状で、柱状のものは板状が積み重なっているように横方向に条線がある。しかし多くは塊状または粒状で産出する。
英名 | PYRHOTITE |
和名 | 磁硫鉄鉱 |
化学組成分類 | 硫化鉱物 |
晶系 | 単斜晶系 六方晶系 |
色 | 黄銅色 |
光沢 | 金属光沢 |
蛍光 | なし |
条痕 | 灰黒色 |
劈開 | なし |
断口 | 不規則 |
モース硬度 | 3.5~4.5 |
比重 | 4.6~4.7 |
【参考】
隕石に含まれる「トロイライト」に似ている
磁硫鉄鉱は隕石に含まれている「トロイライト」に似ており、かつては同じ鉱物だと思われていました。
しかし詳細な分析の結果、トロイライトの化学式はFeSであり磁性がほとんどないことから、別の鉱物であることが判明しました。
英名と和名の由来
英名:ピロータイトは酸化すると表面が赤っぽくなることから、赤みがかったという意味のギリシャ語「ピロス」が由来です。
一方和名:磁硫鉄鉱は「磁性がある硫化鉄」という意味が由来です。そのまんまですね。
磁硫鉄鉱の用途
磁硫鉄鉱は細かい含有物として、主に合金に用いられるコバルトCoやニッケルNi、プラチナPtなどを主成分とする鉱物が含まれていることがあり、多量に含有している場合は産業用として採掘されます。
ちなみにコバルトCoはステンレススチールやアルニコと呼ばれる磁性合金の成分になり、ニッケルNiは鋼鉄を強化する際に利用されています。
主な産地
①ドイツ
②ノルウェー
③スウェーデン
④カナダ
⑤メキシコ
⑥日本 埼玉県秩父(ちちぶ)鉱山
⑦イタリア
⑧ルーマニア
⑨ボリビア
⑩オーストラリア
⑪ブラジル