電磁気学 理論 1-2.静電気

2023年3月24日

静電気に関するクーロンの法則

静電気

・静電気:物質が帯びている電気のこと

・帯電:正電荷か負電荷のどちらかの電荷が多い状態にあること
*現実に存在するのは負の電荷(電子)のみなので、正の電荷とは電子を放出した相対的な状態です。
例えば電子を10個持ち電気的に中性な原子が、電子を1個放出し9個になると電気的な平衡が崩れ、中性の状態から相対的に正の電荷を持った状態とみなすことが出来ます。

・帯電体:帯電している物体のこと

・点電荷:帯電体のうち大きさが無視できるほど小さいもののこと

静電誘導

・導体:電気を通しやすい物質のこと

・静電誘導:導体に電荷を近づけると反対の符号を持つ電荷が集まって現れる現象のこと

静電気に関するクーロンの法則

・静電力:帯電した物体や電荷の間に働く力のこと。同種の電荷は反発し合い、異種の電荷は引き合う。

・量記号:F 単位:ニュートン[N]

・クーロンの法則:静電力の大きさを表した法則のこと
r[m]離れた2つの点電荷Q1[C]とQ2[C]が及ぼし合う静電力F[N]は比例定数kを用いて
F[N]=kXQ1[C]XQ2[C]/r2[m]

・比例定数k:2つの電荷の周りにある媒質によって変化する定数のこと。ちなみに真空中ではk=9X109
点電荷Q1[C]からr[m]離れた点の電界の大きさE[V/m]は電気力線が球状に広がるため
E[V/m]=(Q1[C]/ε[F/m])/4πr2
この電界に点電荷Q2[C]を置いた時に働く静電力はF[N]=Q[C]XE[V/m]より
F[N]=Q2[C]X(Q1[C]/ε[F/m])/4πr2
   =(1/4πε)X(Q1Q2/r2)
すなわちクーロンの法則の比例定数k=1/4πε

・ちなみにクーロンの法則のような「定数X2つのパラメータ/距離の2乗」という形の公式はたくさん出てくるので覚えておくと便利です。
例えばr[m]離れた2つの物体M1[kg]とM2[kg]が及ぼし合う万有引力の大きさF[N]は、万有引力定数G=6.67428×10-11を用いて以下の式で表されます。
F[N]=GXM1[kg]XM2[kg]/r2[m]

電界

電界とは

・電界:静電力が働く空間のこと

・電界の強さ:電界中で1[C]あたりに働く静電力の大きさと向き
量記号:E 単位:[V/m]

・電界E[V/m]における電荷Q[C]にかかる静電力の大きさF[N]は次式で表される
F[N]=Q[C]XE[V/m]

一方クーロンの法則より
F[N]=kXQ1[C]XQ2[C]/r2[m] であるから点電荷Q[C]による電界の大きさE[V/m]は
E[V/m]=kXQ[C]/r2[m]

2つ以上の電荷が作る電界

・電界は大きさと向きを持つパラメータ、すなわち「ベクトル」であるため合成することができます。

・一方大きさのみを持つパラメータは「スカラー」と呼ばれます。

電気力線

・電気力線:正電荷から出て負電荷に吸い込まれる、電界の作用をもたらす仮想の線

・誘電率:周りの空間の電気力線の透し難さ
量記号:ε(イプシロン) 単位:[F/m]

・誘電率ε[F/m]の空間で点電荷Q[C]から出る電気力線の本数N[本]は
N[本]=Q[C]/ε[F/m]

静電遮蔽

・静電遮蔽:空間を導体で取り囲んだ時、内部が外部の電界の影響を受けなくなる現象のこと

電束と電束密度

・電束:電荷の周りの物質に関係なく電荷Q[C]から出るQ[本]の仮想の線のこと
量記号:Ψ(プサイ) 単位:クーロン[C]

・電束密度:ある面を垂直に貫く単位面積当たりの電束のこと
量記号:D 単位:[C/m2]
D[C/m2]=Ψ[C]/A[m2]

・真空の誘電率:真空中での電気力線の透し難さ
量記号:ε0 単位:[F/m]
ε0=8.85X10-12[F/m]

・比誘電率:ある物質の誘電率ε[F/m]と真空の誘電率ε0[F/m]との比
量記号:εr
εr=ε/ε0

・誘電率、比誘電率、真空の誘電率を用いると
D[C/m2]=ε[F/m]XE[V/m]
     =ε0εrE[C/m2]

電界と電位

電位と電界と電圧

エネルギー:モノを動かす能力のこと

位置エネルギーという観点で考えると、電位=山の高さ、電位差=高低差、電界=山の勾配となる。
電界があれば正電荷は電位の高いところから低いところへ移動する。
勾配があれば台車は山の高いところから低いところへ移動する。

電位

・量記号:V 単位記号:[V]

・V[V]=W[J]/Q[C]

・点電荷Q[C]からr[m]離れた点の電位V[V]は
V[V]=(1/4πε)XQ[C]/r[m]

・平行平板電極:空間を挟んで向かい合わせにして平行に並べた2枚の電極のこと
平衡平板電極に電圧V[V]を加えると、空間中の電気力線は互いに平行で密度も均一になります。
すなわち電界の大きさE[V/m]が等しくなります。

・等電位面:電界中の電位が等しい点を結んでできる面のこと
山で例えると、等電位面は等高線にあたるので電位が異なる等電位面は交わりません。

誘電分極

・絶縁体:電気をほとんど通さない物質のこと

・誘電分極:誘電体もしくは絶縁体に電荷を近づけると反対の符号を持つ電荷が現れる現象のこと

コンデンサ

コンデンサと静電容量

・コンデンサ:電池などの電源につなげると電気を蓄えることが出来る電気回路の部品のこと

・極板:絶縁体または誘電体を挟んでいるコンデンサの部品

・充電:コンデンサの極板に電荷を蓄えること

・放電:充電したコンデンサから電荷が放出されること

・平等電界:極板間のどこであっても電界の大きさが一定となる空間のこと

・静電容量(キャパシタンス)
量記号:C 単位記号:ファラッド[F]
コンデンサに蓄えられる電荷Q[C]は、静電容量C[F]と極板間の電圧V[V]を用いて
Q[C]=C[F]XV[V]
また、極板間の誘電体の誘電率をε[F/m]、極板の面積をA[m2]、極板間の距離をl[m]とすると
C[F]=ε[F/m]XA[m2]/l[m]
よってコンデンサは以下の条件であるほど電荷をたくさん溜めることが出来る
①極板間の誘電体の誘電率が高い
②極板の面積が大きい
③極板どうしが近い

・平行平板コンデンサ内の電界の大きさE[V/m]=V[V]/l[m]

誘電率・真空の誘電率・比誘電率

・誘電体:極板の間に挟まれた絶縁体のこと

・透電率:真空での電気力線の透し難さ

コンデンサの並列接続と直列接続

・並列接続されたn個のコンデンサの合成静電容量C0=C1+C2+・・・+Cn

・直列接続されたn個のコンデンサの合成静電容量C0
1/C0=1/C1+1/C2+・・・1/Cn

上記は直列接続や並列接続された抵抗の合成抵抗の式の逆と覚えると楽です

コンデンサに蓄えられる静電エネルギー

・静電エネルギー:充電されたコンデンサが持っているエネルギーのこと
量記号:W 単位記号:ジュール[J]
W[J]=1/2XC[F]XV2[V]=1/2XQ[C]XV[V]

エネルギーの式は「1/2Xスカラー量Xベクトル量の2乗」という形をしているので覚えておくと楽です。
例えば運動エネルギーの式は1/2Xm[kg]Xv2[m/s]
エネルギーの式がこの形になる理由は、スカラー量Xベクトル量をベクトル量で1回積分しているからです。
運動エネルギーの場合は「mXv」をvで1回積分しています。
積分定数(ここでは初速度による運動エネルギー)は0と仮定しています。

Posted by 哲学者:ゆとり