天国の庭が見える石! 「エメラルド(EMERALD) 和名:翠玉」紹介
エメラルドのデータ
・緑色の緑柱石の宝石名
・変成岩を切る熱水脈やペグマタイト中から産出する
・成分中に含まれる微量のクロムCrまたはバナジウムVによって緑色になる
・液体、気泡、岩塩の結晶を含むものを「三相包有物」と呼ぶ
英名 | EMERALD |
和名 | 翠玉 |
化学組成分類 | ケイ酸塩鉱物 |
晶系 | 六方晶系 |
色 | 緑色 |
光沢 | ガラス光沢 |
蛍光 | なし |
条痕 | 白色 |
劈開 | 不明瞭 |
断口 | 貝殻状 |
モース硬度 | 7.5~8.0 |
比重 | 2.6~2.7 |
【参考】
エメラルドの宝飾品
指輪
ペンダント
天国の庭が見える石
1537年に南米を侵略中だったスペイン軍がコロンビアでエメラルド鉱山を発見しました。
ムガール帝国(現インド)やオスマン帝国(現トルコ・ギリシャ)の支配者たちは遠い異国からもたらされたこの高価な宝石の虜になり、エメラルドを「天国の庭が見える石」と呼んだそうです。
また、エメラルドは古代エジプト時代から紅海沿岸で見つかっており「女王クレオパトラが愛した宝石」「宝石の女王」「女王の宝石」とも呼ばれています。
「ソーデエメラルド」と合成エメラルド
エメラルドとして販売されている宝石の中には、水晶などを緑色の接着剤で貼り合わせて作られた「ソーデエメラルド」と呼ばれるイミテーションも多く存在しています。
ソーデエメラルドと本物のエメラルドを判別する方法は以下の通りです。
水の入った透明な容器に入れて横から見る
↓
本物のエメラルド:石全体が美しい緑色
ソーデエメラルド:全体が無色透明で、接着部が黒っぽい線になってあらわれる
1950年代にフラックス溶融法が開発されると、ハイドロサーマル法が確立され天然のエメラルドにそっくりな大きい結晶をつくることができるようになりました。
合成エメラルドと天然のエメラルドを判別する方法は以下の2つです。
・合成エメラルドは比重がやや低い
・合成エメラルドは屈折率がわずかに小さい
副成分で産地が分かる
エメラルドは産地によって副成分が異なるという特徴を持っているので、副成分が分かれば以下の表の通り産地が分かります。
副成分 | 産地 |
方解石 黄鉄鉱 | ブラジル |
雲母 | ロシア |
主な産地
①パキスタン
②ロシア
③コロンビア
④南アフリカ
⑤ジンバブエ
⑥エジプト
⑦ブラジル ミナスジェライス