岩石を構成する重要な造岩鉱物のひとつ! 「ホルンブレンド(HORNBLENDE) 和名:普通角閃石」紹介
ホルンブレンドのデータ
・共生鉱物に石英、方解石、黒雲母、普通輝石、曹長石、緑閃石などがある
・劈開方向に割れた面は柱状となって光る特徴がある
・酸に強く熱で溶けにくい
英名 | HORNBLENDE |
和名 | 普通角閃石 |
化学組成分類 | ケイ酸塩鉱物 |
晶系 | 単斜晶系 |
色 | 灰緑色~暗緑色 褐色~黒色 |
光沢 | ガラス光沢 |
蛍光 | なし |
条痕 | 灰緑色・灰褐色 |
劈開 | 二方向に完全 (124°と56°) |
断口 | 不平坦 |
モース硬度 | 5.0~6.0 |
比重 | 3.0~3.5 |
【参考】
英名:ホルンブレンドの由来
尖った形で産出することから、英名:ホルンブレンドはドイツ語で角を意味する「ホルン」と、あざむくを意味する「ブレンデン」が由来です。
火成岩と変成岩の造岩鉱物
普通角閃石は多種の火成岩中で生成するほか、変成岩中に見られることもあります。
火成岩とは、もともと火山のマグマや溶岩が地下で固まって形成された岩石が、地質活動によって地表に現れたもののことです。
変成岩とは、もとの岩石に含まれている鉱物が温度や圧力によって別の鉱物になったり、別の組み合わせになったもののことです。
普通角閃石はこれらの岩石を構成する重要な造岩鉱物のひとつです。
普通角閃石の分類
ケイ酸塩鉱物の一種である普通角閃石は、カルシウムCa・マグネシウムMg・鉄Fe・アルミニウムAlなど10種類以上の元素を含む複雑な化学組成を持っているため、標本によって成分がかなり異なる場合があります。
厳密にはマグネシウムMgの多い苦土普通角閃石と鉄Feの多い鉄普通角閃石に分けられますが、肉眼で区別することは出来ず、いずれも緑色や緑色がかった茶色・黒色です。
分類 | 特徴 |
苦土普通角閃石 | マグネシウムMgが多い |
鉄普通角閃石 | 鉄Feが多い |
主な産地
①ノルウェー
②フィンランド
③日本 熊本県阿蘇山・長野県信濃境(しなのさかい)
④カナダ
⑤アメリカ カリフォルニア州・ニューヨーク州
⑥イタリア
⑦スウェーデン
⑧オーストラリア