複屈折発見のきっかけ! 「アイスランドスパー(ICELAND SPAR) 和名:氷州石」紹介
アイスランドスパーのデータ
・玄武岩や変成岩、堆積岩、鉱脈中に生成する
英名 | ICELAND SPAR |
和名 | 氷州石 |
化学組成分類 | 炭酸塩鉱物 |
晶系 | 六方晶系 |
色 | 無色 |
光沢 | ガラス光沢 |
蛍光 | なし (青色・赤色・ピンク色・黄色の 蛍光を示すものもある) |
条痕 | 白色 |
劈開 | 完全 |
断口 | 亜貝殻状 |
モース硬度 | 3.0 |
比重 | 2.7 |
【参考】
「複屈折」研究の歴史
アイスランドスパーとは無色透明の方解石のことです。
よってアイスランドスパーも方解石と同様に「複屈折」の特徴を有しています。
複屈折は1669年にデンマークの物理学者:エラスムス・バルトリン(1625年~1698年)がアイスランドスパーの中を通り抜ける光の進路が2つに分かれることに気づいたのがきっかけで発見され、1678年にオランダの物理学者で天文学者でもあるクリスチャン・ホイヘンス(1629年~1695年)がその原理を明らかにしました。
波の回析で出てくる「ホイヘンスの原理」が有名ですね。
【参考】複屈折の特徴を持つ! 「カルサイト(CALCITE) 和名:方解石」紹介
アイスランドスパーの偏光装置「ニコルプリズム」
イギリスの地質学者:ウィリアム・ニコル(1768年~1851年)はアイスランドスパーの結晶を2つに割り、結晶の方位を互いに逆にして透明な樹脂で貼り合わせた偏光装置を作成しました。
この装置は「ニコルプリズム」と呼ばれ、鉱物の偏光性を調べるために使用されました。
この装置に光を当てると、光の1つは結晶が貼り合わされた面で反射され、もうひとつの光はまっすぐに通り抜けます。
現在では同じ原理で高分子偏光板が用いられています。
主な産地
①アイスランド
②アメリカ コロラド州
③日本 大分県鯛生(たいお)鉱山
④ナミビア
⑤ドイツ
⑥メキシコ