リチウムイオン電池の原料! 「レピドライト(LEPIDOLITE) 和名:リシア雲母」紹介
レピドライトのデータ
・主にピンク色や紫色がかった結晶で現れることから「紅雲母」と呼ばれたり、鱗のように小さな結晶が集合していることから「鱗雲母」とも呼ばれる
・英名:レピドライトはギリシャ語で鱗を意味する「レピス」が由来
・火成岩の中でも特に花崗岩ペグマタイトのような酸性の火成岩中に生成する
英名 | LEPIDOLITE |
和名 | リシア雲母 |
化学組成分類 | ケイ酸塩鉱物 |
晶系 | 単斜晶系 |
色 | 様々 |
光沢 | 真珠光沢 |
蛍光 | なし |
条痕 | 白色 |
劈開 | 完全 |
断口 | 不規則 |
モース硬度 | 2.5~3.5 |
比重 | 2.8~2.9 |
【参考】
「リシア雲母」は独立した鉱物名ではない
リシア雲母とは、トリリシオ雲母[KLi2AlSi4O10F2] とポリリシオ雲母[KLi1.5Al1.5AlSi3O10F2] の総称のことです。
トリリシオ雲母:リチウムLiとケイ素Siが多くなったもの
ポリリシオ雲母:アルミニウムAlが多くなったもの
リチウムLiの主要な原料
リチウムLiを含有する鉱物は他にもリシア輝石・リシア電気石などがありますが、リシア雲母はこれらよりもリチウムLiの含有量が多く産出量も多いため、リチウムLiの主要な原料として利用されています。
リチウムLiは主に電池などの製造に利用される金属元素で、その産業的用途は幅広い。
リチウムイオン電池が有名だと思います。
放射年代測定(ルビジウム-ストロンチウム法)
リシア雲母の中に微量に含まれているルビジウム87(87Rb)という放射性同位元素は、原子核の崩壊などを経てストロンチウム87(87Sr)に変わる性質を持っています。
この性質を利用することでリシア雲母が含まれる岩石の生成年代を測定する方法を「ルビジウム-ストロンチウム法」といいます。
これは広義で「放射年代測定法」に属します。
主な産地
①スウェーデン
②カナダ
③アメリカ コロラド州・コネチカット州・メイン州・ニューメキシコ州
④日本 茨城県常陸(ひたち)太田市妙見山・福岡県福岡市長垂
⑤マダガスカル
⑥モザンピーク
⑦チェコ
⑧イタリア
⑨ブラジル