涙なしには観られない父の愛 映画「砂の器」紹介&感想

2022年5月29日映画・ドラマ・アニメ

1974年の映画なので、公式PV等はないですね。残念。

ジャンル殺人事件
感動(父の愛・人情)
テーマ宿命
気に入ったセリフ「出る杭は打たれる。必ず足を引っ張るものが出てくる。
親しそうな顔をして後ろで蹴落とそうとしている者だっている。」
「幸せなんてものがこの世の中にあるのかい。
元々そんなものは無いのさ。
無いからみんながそんな影みたいなものを追ってるってね。」
見どころ組曲「宿命」に合わせて流れる放浪の旅のシーン
病を患った父の真に迫る演技

あらすじ

1971年一人の60代男性の遺体が発見される。現場にバーのマッチが落ちていたため、そのバーに事情聴取に行くが、手掛かりは被害者が何度か口にしていた「カメダ」という言葉のみ。

被害者はどこの誰なのか?なぜ被害者は殺害されたのか?犯人は誰なのか?ここからお話が展開していきます。

感想

泣ける

50年近く前の映画ですが、良かったです。ぼろぼろ泣きました。😢

特に物語終盤の組曲「宿命」をバックに親子が放浪の旅をしているシーン。
セリフは無いのですが、曲調と映像で全てを表現しています。素晴らしい。

ストーリーの背景:ハンセン病(らい病)

そもそもなぜ親子が放浪の旅に出なければならなかったのか?
理由は病の正体が「ハンセン病(らい病)」だったからです。

1907年の「らい予防法」制定以降、1996年にその法律が廃止されるまで患者は療養所に強制収容され、患者やその家族に対する差別も酷かったそうです。

だから親子は村を追われることになったし、映画の終盤で「写真の人物に心当たりはないか?」と問われた時も、病を患った父は息子に迷惑がかからないよう「そんな人は知らない」と白を切り通しました。
このときの、写真の人物が20年以上会えていない息子だと確信した時の演技が、正に真に迫る演技で涙を抑えることができませんでした。

その他の見どころ

また、徐々に事件の真相に近づいていく展開もこの映画の見どころです。
血液型判定の結果が出るシーンは思わず鳥肌が立ちました。

あと、昭和の日本の雰囲気が映像から伝わってくるのも良いですね。
扇風機だけでエアコンはなさそうだから、めっちゃ暑そうでした💦🥵
あとインターネットも発達してないから、調べ物も大変そうでした。

タイトル「砂の器」の意味

「つくっては壊れを繰り返す砂の器のように人の幸せは儚いもの」
砂で作った器には、何を入れようとしても絶対に満ちることはない。
いずれ壊れ崩れていくのが砂の『宿命』だから。

犯人は名前も戸籍も変えましたが、結局親と子という宿命から逃げることができず、せっかく手に入れた幸せも儚く壊れ、崩れ去ってしまいました。
これも犯人の宿命だったのでしょうか?なんだか悲しいですね・・・😢

以上、映画「砂の器」を見た感想でした。
NETFLIXで見れるので、興味を持った方はぜひご視聴ください。