涙なしには観られない父の愛 映画「砂の器」紹介&感想
1974年の映画なので、公式PV等はないですね。残念。
ジャンル | 殺人事件 感動(父の愛・人情) |
テーマ | 宿命 |
気に入ったセリフ | 「出る杭は打たれる。必ず足を引っ張るものが出てくる。 親しそうな顔をして後ろで蹴落とそうとしている者だっている。」 「幸せなんてものがこの世の中にあるのかい。 元々そんなものは無いのさ。 無いからみんながそんな影みたいなものを追ってるってね。」 |
見どころ | 組曲「宿命」に合わせて流れる放浪の旅のシーン 病を患った父の真に迫る演技 |
あらすじ
1971年一人の60代男性の遺体が発見される。現場にバーのマッチが落ちていたため、そのバーに事情聴取に行くが、手掛かりは被害者が何度か口にしていた「カメダ」という言葉のみ。
被害者はどこの誰なのか?なぜ被害者は殺害されたのか?犯人は誰なのか?ここからお話が展開していきます。
感想
泣ける
50年近く前の映画ですが、良かったです。ぼろぼろ泣きました。😢
特に物語終盤の組曲「宿命」をバックに親子が放浪の旅をしているシーン。
セリフは無いのですが、曲調と映像で全てを表現しています。素晴らしい。
ストーリーの背景:ハンセン病(らい病)
そもそもなぜ親子が放浪の旅に出なければならなかったのか?
理由は病の正体が「ハンセン病(らい病)」だったからです。
1907年の「らい予防法」制定以降、1996年にその法律が廃止されるまで患者は療養所に強制収容され、患者やその家族に対する差別も酷かったそうです。
だから親子は村を追われることになったし、映画の終盤で「写真の人物に心当たりはないか?」と問われた時も、病を患った父は息子に迷惑がかからないよう「そんな人は知らない」と白を切り通しました。
このときの、写真の人物が20年以上会えていない息子だと確信した時の演技が、正に真に迫る演技で涙を抑えることができませんでした。
その他の見どころ
また、徐々に事件の真相に近づいていく展開もこの映画の見どころです。
血液型判定の結果が出るシーンは思わず鳥肌が立ちました。
あと、昭和の日本の雰囲気が映像から伝わってくるのも良いですね。
扇風機だけでエアコンはなさそうだから、めっちゃ暑そうでした💦🥵
あとインターネットも発達してないから、調べ物も大変そうでした。
タイトル「砂の器」の意味
「つくっては壊れを繰り返す砂の器のように人の幸せは儚いもの」
砂で作った器には、何を入れようとしても絶対に満ちることはない。
いずれ壊れ崩れていくのが砂の『宿命』だから。
犯人は名前も戸籍も変えましたが、結局親と子という宿命から逃げることができず、せっかく手に入れた幸せも儚く壊れ、崩れ去ってしまいました。
これも犯人の宿命だったのでしょうか?なんだか悲しいですね・・・😢
以上、映画「砂の器」を見た感想でした。
NETFLIXで見れるので、興味を持った方はぜひご視聴ください。