オレンジ色の炎色反応を示す! 「アンハイドライト(ANHYDRITE) 和名:硬石膏」紹介
アンハイドライトのデータ
・石膏、苦灰石、石英、ぶどう石などと共生する
・世界的に見ると水温が42℃以上になった海水に沈殿してできる蒸発鉱物のひとつ
・日本では主に海底で噴出して層状に沈殿した黒鉱鉱床中に生成する
英名 | ANHYDRITE |
和名 | 硬石膏 |
化学組成分類 | 硫酸塩鉱物 |
晶系 | 斜方晶系 |
色 | 様々 |
光沢 | ガラス光沢・真珠光沢 |
蛍光 | なし |
条痕 | 白色 |
劈開 | 完全 |
断口 | 不平坦 |
モース硬度 | 3.5 |
比重 | 3.0 |
【参考】
英名:アンハイドライトの由来
化学組成上、石膏が[CaSO4・2H2O]で結晶水を2分子含んでいるのに対し、硬石膏は結晶水を含んでいません。
そのため水がないという意味のギリシャ語にちなんで、英名がアンハイドライトになりました。
和名:硬石膏は水分子がないことによって石膏よりも硬いことが由来です。
湿気の多い場所では大気中の水分を取り込んで石膏に変化するものも存在します。
方解石との判別方法
硬石膏は方解石と外見が似ていますが、硬石膏は塩酸に浸しても発泡せず、高温の炎の中に入れると簡単に溶け、カルシウムCaが主成分なのでオレンジ色の炎色反応を示すことから判別が可能です。
【参考】炎色反応語呂合わせ
リアカー 無き K村、どうせ 借りようと するも(貸して)くれない 馬力でやろう
Li赤 Na黄 K紫 Cu青 Ca橙 Sr紅 Ba緑黄色
【参考】その他の炎色反応を示す鉱物
硬石膏の用途
硬石膏は以下の通り幅広い用途があります。
・セメント
・漆喰(しっくい)
・医療用ギプス
・肥料
・乾燥剤
・ガラス原料
・塗料
主な産地
①スイス
②カナダ
③アメリカ ルイジアナ州・ニューメキシコ州・サウスダコタ州・テキサス州
④日本 秋田県花岡鉱山
⑤ポーランド
⑥イタリア
⑦オーストリア